家族の立場から考える利用者との”接し方”

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私達介護者は、”家族と共に寄り添って考える”というのも仕事の内です。単純に負担の割足を考えるのであれば最も辛い立場にあるのは家族です。

”自分の親を施設に預けたくはない”し、”家に独りにさせるのは危険”です。その他にも”介護士に全てを任せて申し訳ない”という気持ちもあるでしょう。関わる全てに負い目を感じるのは当然の事です。

今回は利用者の家族に注目を置いて、共に寄り添っていきましょう。

私が思う家族の”印象”

介護士は様々な部分で利用者様の家族に接する機会があります。その際に利用者様について家族に質問されることが多いので必然的に顔なじみになり、仲良くなります。仲良くなれば介護士は利用者様の過去を知り、問題が起きた場合の対処法が増えます。情報を共有する事で互いに暮らしやすくなるでしょう。

利用者様への対応は家族により様々です。全く会いに来れない家族もあれば、毎週の様に施設に顔を覗かせる家族もおられます。それぞれに様々な理由はあると思いますのでどちらが正しいのか?という問いは取り敢えず置いております。

ただ、季節の変わり目には服の補充が必要になる事もあるので客観的に観て頻繁に来られる方が利用者様が生活に困窮こんきゅう(困らない)しないと思います。介護士との連携も取りやすくなります。

寂しそうな印象を受ける事があります。特に、話し合いの場を設けた際に会話が成り立っていない様子をみる度、そう思います。そして少し気まずそうな時間が経過した後、「そろそろ」と言って帰られます。私達介護士は当時の利用者様を知りませんが、家族は病にかかる前の利用者様を知っています。つまり、変わっていく家族をみています。

私は病で弱っていく祖母を観ていました。しかしそれ程多い頻度ではありませんでしたし、自分の親という最も近い立場でもありません。勿論気持ちはありましたが、更に近い近親者であれば益々私が抱える心の傷は深いものとなったと思います。

人の気持ちを汲み取るのは難しいでしょうが、”介護”はそこが本質なのでは無いかと思います。

病気の進行を知り、”対処法”を考える

家族の方は一体どこで認知症に気が付くのでしょうか?例にあげてみましょう。

認知症の症状発見のきっかけ例
★もの忘れ
同じ話を繰り返す・約束を忘れる・同じものを不必要に何度も買ってくる・鍵や財布をなくす・料理の味付けがおかしくなる 等。
★理解力・判断速度の低下
計算が難しくなる・会話速度についていけず理解が難しい。 等
★集中力・作業能力の低下
読書好きの人が本を読まなくなる・テレビドラマの話の筋が分からなくなる・趣味や家事を途中で放棄する
★精神的混乱や落ち込み
趣味の活動をやめてしまう・人付き合いを避け、やる気がなくなる・怒りっぽくなる

認知症の病というのは段階的に進行するので家族であれば違いに気が付く日が来るかもしれません。その際に放置せず、迅速に対処できれば病の進行を遅らせる事が出来ると思います。

家族の方が抱える不安

 

以前、私の叔母が認知症を患った義母の話をしてくれました。元々温厚な方だったのですが、認知症を患ってから人が変わったように怒りやすくなり暴言を吐く様になったそうです。それも最も面倒を見てくれる人に対し、よりキツイ反応をしめしたといいます。

私の母と祖母の関係を観て思ったのですが、親子なので互いに遠慮が無かったり、親子だからこそ何をしても突き放されないだろうという気持ちが垣間見える瞬間があります。だからこそ過剰に反応し合うのではないかと考えました。叔母の件で言うと義母の息子さんはほとんど顔を見せる事は無く、その奥さんである私の叔母が良く会いに行ってたそうなので、唯一の甘やかしてくれる叔母に対しそんな態度を取られたのかもしれません。

何にせよ私の叔母や母は尊敬に値します。何が起きても決してその方を見捨てなかったのですから。私であれば疲弊してしまい。会いに行くのも億劫になるでしょうから。

前はこんな性格では無かった。こんな人は知らない。と思う事が多々あるでしょう。誰かに愚痴をこぼしてしまう日もあると思います。本人のためと思って行動した事でも、認知症の症状が進行してしまうこともあります。そんなときにくじけない様に、私が学んだ対処法が参考にして頂きたいと思います。

認知症の方への正しい接し方や間違った接し方、具体的事例の対応の仕方

 

認知症の方の言動に声を荒げてしまう事があります。ブログ内で以前Oさんが「物が盗まれた。犯人はアンタ達(介護士)よ!」と私に詰め寄った際、いわれのない疑いをかけられた私は未熟ながら苛立ってしまいました。

何とかしてあげたいという気持ちが強くなればなる程、厳しく接してしまうのは誰にでもあることです。しあし、認知症の方ご本人が傷ついたり不快な気持ちになってしまったりしては意味がありません。それでは認知症の方が介護している人を信頼できなくなってしまいます。

 

認知症の方を叱ってはいけない

特に私が出合わせたOさんの件では認知症の人口が顕著に表れた事例でした。

認知症は、記憶が衰えても感情の機能は衰えません。叱られている理由は分かりません、叱られていることだけは理解しています。つまり利用者様は私達の顔色や声色、態度をみています。そして自分は絶対に正しい発言をしていると信じている為、おのずと張り合ってしまいます。決して受け身になる事はありません。

ではもしも何もわからない状況で、大声で怒鳴られたらどう思いますか?とても嫌な気持になると思います。加えて不快な気持ちにさせられたことはずっと覚えています。嫌な気持ちが蓄積してしまうと、行動異常や妄想などが悪化し悪循環に陥いります。

私の担当したユニットは二つに分かれていましたが、左右で全く雰囲気が異なっていました。元々の性質もきっとあると思いますが、環境要因というのはとても大事です。

ストレスを与える事をしてはいけない

ストレスがたまってしまうと大きな声を出したり、暴力的になったりします。また無視したり放置したりすることも良くありません。

自分が何らかの作業を行っている際、長い間話しかけられる事で面倒なのは理解出来ます。しかし、敢えて放置するというのは病の進行を速める行動になりえます。

私は祖母と同居していたので、毎日の様に和室に行っては犬を触るついで(犬は和室の前にある庭につないでいた)に話しかけていました。”ついで”と言うと少々失礼ではあるのですが、孫の正直な気持ちとすれば和室に向かうのに多少なりとも抵抗感があり、ふと行きたくないなぁと思う自分を押さえて通っていたのは事実です。それでも祖母の為になると思って私がお膳を運んだり、出来るだけ会いに行くように努めた事は良かったんじゃないかなぁと思います。

自分で言う事ではありませんが…。

脱水や便秘にも気を付ける事

祖母はあまり”熱い”とか”寒い”とかを判断する事が出来なかった様で蒸し暑い日でも「クーラーや暖房は必要無い」と言っていました。私達がいくら説明しても体調管理について気を付ける素振りは無かったと思います。”親の心子知らず”と言いますが、逆もしかりで馬の耳に念仏を唱えているように右から左へと受け流されてしまいます。また死生観について諦めの様なものもあったのではないかと思います。「どうせすぐ死んでしまう」とか「死んだらええんじゃ」と呟いていたのを何度か耳にしました。私はその度、「そういう事を言わないの!」と訂正する様に心掛けていました。

水分が不足する事により便秘になり、認知症が進むという悪循環が発生します。こまめな水分補給を心がけ、排便に注意しましょう。

正しい”接し方”を考える

気持ちを理解し、受け入れる

認知症の方が理解しがたい言動をするのは、何かしら不安を抱えているためです。その不安な気持ちを理解し、取り除くようにしましょう。また、否定したり訂正したりせず受け入れるようにしましょう。

 

本人のペースに合わせる

無理に訓練させたり、部屋を模様替えしたりなど、無理強いや急な環境変化は、ストレスの元になります。認知症の方がリラックスして過ごせるよう、本人のペースに合わせましょう。周囲の人間関係も本人に影響するので仲良く出来るのであれば心掛けてください。

 

相槌を打つ

嫌な気持ちは消えずに蓄積されるという話をしましたが、嬉しい感情も蓄積されます。

ほめる・感謝する・相槌を打つことは、認知症の方も自分自身を認めてもらえたと感じ、気持ちも良くなります。悪い感情を残さないように心がけましょう。

スキンシップ、アイコンタクト、ジェスチャーを使う

言葉以外のコミュニケーション(バリデーション)も積極的に使用していきましょう。スキンシップ(肌の触れ合い)・アイコンタクト(目を合わせる)をすることによって、安心でき、心を穏やかにします。会話をする時は、目線を合わせるようにして話をしましょう。

認知症の方は気になることがあると、そのことばかりが気になってしまう傾向があります。認知症の方が、気になっていることを出来るだけ取り除いてあげましょう。

 

同じ話の繰り返し・妄想・徘徊・攻撃的になる時の対処法

認知症の方が同じ話を繰り返すのは、話したこと自体を忘れているためです。認知症の方ご本人は、同じ話を繰り返しているつもりは全くありません。この場合は、話を変えたり、一度受け入れてから話をそらすようにしてみましょう。

よくある話にご飯を食べたばかりなのに、「ご飯まだ?」と何度も尋ねてきた時があります。その場合は「さっき食べたでしょ!」と否定せず、「今支度しているから待ってね」と一度受け入れ、温かい飲み物やおやつなどを渡すと良いと思います。私達も夜中にふとコンビニのアイスが食べたいと思う事があります。認知症の方はお腹がすいた=何も食べていないと感じているのだと思います。取り敢えず空腹を満たすか、他に集中出来るものを用意してあげましょう。

身近な家族に物を盗られたという妄想をしてしまうのは、頼りたいけど頼りたくないという気持ちの表れと言われています。この場合にもちろん否定や叱ることはNG。「じゃあ一緒に探そう」と、本人が納得するような対応をして心を落ち着かせることが大事です。

介助を真剣にしている際に親から「あなたは誰?」と尋ねられるのはつらい事ですし腹も立ちますがあまり真に受けないでください。違う話題を振ったり、距離を置いてみたりしましょう。しばらくすると、突然名前を思い出すことがあります。

徘徊の対処

自分の居場所が分からなくなったり、外出した目的自体を忘れた場合に”徘徊”が起きます。誰かが家族の方を見つけた際に分かる様、身に着けているものに名前や連絡先を記入しておきましょう。近所の方に協力して貰えるのであれば見かけた際に声を掛けて貰うか電話を貰える様にお願いしておきましょう。

攻撃的な方への対処

私達の行動が攻撃のように感じたり、自分の気持ちを上手く言葉で表せなかったりするために攻撃的になります。攻撃に抵抗するため、攻撃に出てしまうのです。

その場合は叱ったりはせず、気持ちを落ち着かせるようにしましょう。興奮が収まらない場合は、一旦距離を置き、危険な行動をしないか見守りましょう。

利用者の”奴隷”になる必要は無い

自分が大人になって優しくしなくてはと思われたかもしれません。思いやりは大切ですが、どんなに工夫していても上手くいかない時があります。ですから自分を押し殺して我慢したり、自分を責めたりしてはいけません。

自分や家族だけでは限界を感じたら、介護疲れや介護うつになる前に、第三者や専門家にも頼ることが大事です。認知症に関することは取り敢えず「地域包括支援センター」へ相談してみましょう。専門職の方が貴方に良いアドバイスをしてくれるかもしれません。

私は別に必ずしも家で利用者様をみてくださいと言っているのでは無く、出来る範囲で接してあげて欲しいというだけです。老人ホームであれば24時間体制で見守ってもらえるため、徘徊などの心配もなく安心ですから、便利なものは使えば良いと思います。

ちなみに甘やかしすぎることも良くありません。本人や周囲の人の命に係わるような危険な行動をしてしまった時は、しっかりと叱りましょう。何をしたかは覚えていないかもしれませんが、自分が行った行動を正しいと思われてもいけません。

私達にも生活があります。最も大事な物と照らし合わせて認知症と向き合っていきましょう。

まとめ

まだ私は自分の親が健在ですので本当の意味で”介護”というものを理解してはいないのかもしれません。ですがもしも親が認知症になってしまった場合に備えて今からでもどうすれば良いのか?考えてみる事は大事だと思います。

私達はいずれ皆、誰かに迷惑をかけます。その際に私達の面倒を見てくれる方の邪魔だけはしない様に努めたいと思います。認知症にならなければ尚の事良いのですが…。

かなり長文になってしまいました。この密度を毎回はしんどいですよね?今後はもう少しコンパクトにまとめていきたいと思いました。それでは本日はここまで。ありがとうございました。

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