そもそも”認知症”って何?元介護士が語る認知症の知識

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あっ、そういえばそもそも”認知症”について話して無かったじゃん!?という事で今回はお勉強しましょう!ちょっと長くなるかもしれませんがついてきてくださいね★

認知症と物忘れの違いって?

”認知症”という言葉自体は病名ではなく、記憶をつなぎ合わせて判断することができなくなっている状態を指します。★”痴呆症”と呼ばれていましたが、悪い意味にとられる事を防ぐ為”認知症”と呼び方が変わりました。

日本神経学会は、”一度正常に達した認知機能が後天的(後から起きた原因、事故や病気)な脳の障害によって持続的に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態をいい、それが意識障害がないときに見られる”と定義しています。つまり生まれてから認知機能に問題のある人は認知症とは定義しないと言う事です。

体験したことの一部を忘れるのは、”もの忘れ”。例えば昨日ジョギングをしたのであれば、誰とすれ違ったのか思い出せなくても、ジョギングをした事は覚えていると思います。認知症の方はジョギングをした事自体を忘れてしまいます。

誰でも年齢とともにもの覚えがわるくなったり、人の名前が思い出せなくなったりします。こうしたもの忘れは脳の老化によるものです。認知症は老化によるもの忘れとは違い、何かの病気によって脳の神経細胞が壊れるために起こる症状や状態です。認知症が進行すると、だんだんと理解する力や判断する力がなくなって、社会生活や日常生活に支障が出てくるようになります。

表で見る”認知症”と”物忘れ”の違い
物忘れ 認知症
原因 老化 神経細胞の変性・脱落
物忘れ 体験の一部分 体験の全体
症状の進行 あまり進行しない 段階的に進行
判断力 低下しない 低下する
自覚 物忘れに自覚がある 物忘れに自覚がない
日常生活 支障なし 支障あり
治るタイプの認知症

正常圧水頭症: 脳脊髄液のうせきずいえきが脳室に過剰にたまり脳を圧迫します。 慢性硬膜下血腫まんせいこうまくかけっしゅ:頭をぶつけたりしたときに頭蓋骨と脳の間に血の固まりができて脳を圧迫します。★その他、脳腫瘍、甲状腺機能低下症、栄養障害、薬物やアルコールに関連するものなど

認知症の症状があっても、もとの病気を治療すると治ることもあります。早く治療を始めるためにも、認知症かな?と疑問を抱いたら、早めに専門医を受診して下さい!

介護士が携わる”三大認知症”

認知症のうち半数はアルツハイマー型認知症。次に多いのがレビー小体型認知症、そして血管性認知症です。これらは”三大認知症”といわれ、全体の約85%を占めます。残りは治るタイプの認知症が該当します。

”アルツハイマー型認知症”とは

もの忘れから気付くことが多く、日常生活でできたことが少しずつできなくなっていきます。新しいことが記憶できない・思い出せない・時間や場所がわからなくなるなどが特徴です。また、物盗られ妄想や徘徊などの症状が出ることがあります。

以前私は”Oさん”に「物を盗まれた」と言われた話をしましたがそれも認知症の進行時に出る症状です。

原因

異常なたんぱく質が脳にたまって神経細胞が死んでしまい、脳が萎縮する事で起こります。記憶を担っている海馬という部分から萎縮が始まり、だんだんと脳全体に広がります。

主な症状

新しく経験したことを記憶できず、物事自体を忘れてします。また、日付・時間・時間帯(昼/夜)・場所・家族の顔などがわからなくなることもあります。さらに判断する力や理解する力が落ち、食事を作ったり計算する事ができなくなります。

※人により症状の出かたの差は大きく、これらの症状が一律に出現するわけではありません。

初期症状

症状の進行は人によりさまざまですが、アルツハイマー型認知症の初期には以下のような症状が目立ち始めることが多くあります。

【物忘れ】

脳の記憶の場所である海馬が損傷されるため、物忘れが発生。アルツハイマー型認知症の物忘れは、最近のことほど忘れる、部分的にではなく全体を忘れてしまうというもので、加齢による自然な物忘れには見られない特徴があります。

【時間の見当識障害(分からなくなる障害)】

昼夜や日時、季節の取り違えがみられはじめます。

【実行機能障害】

料理など、手順や計画が必要な行動が難しくなってきます。

この辺りから初期の段階から二次的な症状へと移行してトラブルを引き起こし、ご本人や周囲の人々につらい思いをさせることもあります。

中期症状

アルツハイマー型認知症の中期には以下のような症状が目立ち始めます。

【”場所”の見当識障害】

知っている場所でも道に迷い、帰ってこられず警察に保護されたり、自宅でもトイレの場所がわからなくなり排泄が間に合わなかったりなどの症状が現れます。

【失行(運動可能であるにもかかわらず、合目的な運動ができない状態 )】

衣服の着脱、テレビのリモコンや照明のスイッチなどの使い方、お金の払い方、トイレのしかた(失禁)など、簡単な生活上の動作ができなくなり支援が必要になります。

★本人は日常的にできていたことができなくなり周囲から責められると、自信や自尊心がとても傷つけられます。加えて言語能力の低下も伴っているのでつらい気持ちをはっきりと伝えられず、無気力や抑うつ、時には暴言などの二次的な症状が現れやすくなります。

後期症状

言葉が失われ、会話が困難になっていきます。また、歩行能力や食事動作・排泄のように身体の基礎的な能力も衰え始め、生活の大部分で身体介護が必要になっていきます。

身体能力の低下による転倒や拘縮の予防、食事や水分不足に対する栄養支援、嚥下障害からの誤嚥性肺炎など、医療支援が必要になっていきます。一方で、感情は失われにくいため、ご本人の気持ちを尊重した対応をしてあげましょう。

5~10年ほどでこうした経過をたどるとされていますが、個人差は非常に大きいため、一概に「アルツハイマー型認知症になったからあと○年」とはいえません。適切な支援があれば、良い状態で長くアルツハイマー型認知症と付き合っていくことも可能です。

治療法

現在(2020)のところ、アルツハイマー病に対する根本的治療法はみつかっていません。しかし早期発見が出来れば薬やリハビリにて進行を遅らせる事が出来ます。

レビー小体型認知症とは

実際にはいない人が見える幻視。眠っている間に怒鳴ったり、奇声をあげたりする異常言動などの症状が目立ちます。また、手足が震える、小刻みに歩くなどパーキンソン症状がみられることもあります。頭がはっきりしたり、ボーッとしたり、日によって変動する特徴も見られます。

原因

脳の神経細胞の中に”レビー小体”と呼ばれる異常なたんぱく質の塊がみられます。このレビー小体が大脳に広くに現れると、認知症になります。

主な症状

注意力の低下や視覚認知の障害、記憶障害などの認知機能障害。初期から中期にかけては記憶障害が目立たない場合も多くアルツハイマー型認知症のような一般的な認知症だとは認識されにくい面があります。

実際には見えないものが見える(幻視)・理解や感情の変化(認知機能の変動)。動作障害( パーキンソン症状)。大声での寝言や行動化。頭がはっきりしているときと、そうでないときの差がはげしい等が症状に見られます。

※パーキンソン病:体の筋肉がこわばり、硬直や震えが起きて身体を自由に動かせなくなる病。

私が東フロアにいた際におられた利用者様のN様がこの”レビー小体型認知症”でした。「アンタ、子供がおるから注意しなさい」や「何か今走ったでぇ」と目に見えない何かを探したり、それについて呟いたりする事がありました。会話は(多少ですが)成り立っていましたし、利用者様の中では私個人というものをはっきり理解している方でした。時折遠くを見てぼーっとしておられました。

初期症状

便秘・嗅覚異常・うつ症状・レム睡眠行動障害が現れることが多く、段取りの悪さ・物忘れ・立ちくらみが出現。さらに認知機能の変動・幻視・パーキンソン症状が現れます。

この時期では、認知機能が保たれている時間が長く、見当識や理解力も保たれ周囲の人と心を通じ合わせることにも問題ありません。物忘れも軽く、あまり目立たないことが多いです。幻視・錯視・幻聴・妄想などの訴えが増えてきます。家にいてもここは自分の家ではないと言ったり、家族を偽物だと言ったりします。被害妄想、嫉妬妄想を伴うこともあります。

中期症状

パーキンソン症状が強くなり、歩行が困難になってきます。認知機能の悪い時間帯が長くなり、見当識や理解力が落ちて周囲の人と心を通じ合わせにくい時間帯、記憶の悪い時間帯が増えてきます。良好な時間帯でも能力が低下し、幻視・妄想なども顕著になります。生活上の介助支援が必要になります。

後期症状

パーキンソン症状・認知障害がさらに悪化、日常生活に常に介助が必要になります。
車椅子の利用を余儀なくされ、嚥下障害(食事を飲み込む事が難しくなる障害)も目立ちます。

早期に適切な診断とケアプランを立てることで、被害妄想などの精神症状や、行動異常をある程度予防することができますし、先を見越して日常動作の支援を行うことができます。

レビー小体型認知症は”分かりにくい”!?

患者さんによって症状の現れ方が異なります。さらに時間帯や日によって症状が変動するので、正しく診断しにくい病気です。
そのためパーキンソン症状が現れて「パーキンソン病」と診断された後に、記憶障害が出てきてレビー小体型認知症とわかったり、逆にもの忘れでアルツハイマー型認知症だと思われた後にパーキンソン症状が現れてレビー小体型認知症と診断されるケースがあります。

治療法

★薬

認知機能の低下についてはアルツハイマー病と同じく、症状の進行を抑えるため抗認知症薬(アリセプトなど)が処方されます。パーキンソン症状については抗パーキンソン薬が処方されます。

★リハビリテーション

動作に支障が出るパーキンソン症状には運動療法が効果的とされているので、理学療法士などのサポートを受けながら日常的な運動に取り組む事が大切です。

※症状の進行を遅らせる事は出来ますが、完治は難しいです。

”血管性認知症”とは

脳梗塞や脳出血などによって発症する認知症。脳の場所や障害の程度によって、症状が異なります。できることとできないことが比較的はっきりとわかれていることが多く、手足の麻痺などの神経症状が起きることもあります。

原因

脳の血管が詰まる”脳梗塞”や血管が破れる”脳出血”など、脳の血管に障害が起きると周りの神経細胞がダメージを受けます。脳細胞は栄養不足・酸素不足に弱く、何らかの原因により血行が阻害されると、阻害部分より先の脳細胞が死滅し、死滅範囲や部位に応じて様々な症状が表れます。

そうした症状の一つが”脳血管性認知症”です。

認知症の方の1/4以上は”脳血管性認知症”であるといわれ、アルツハイマー型認知症との混合型も少なからずみられます。

主な症状

血管性認知症は、アルツハイマー型認知症に比べ男性の割合が高く、女性の2倍近くの有病率が報告されています。また脳血管障害発生により引き起こされるため、若い世代の発症も見られます。この場合「高次脳機能障害」と診断されることもあります。

脳血管性認知症は、物忘れなどの記憶障害・時間や場所や人物の認識がうまくできなくなる見当識障害・ものごとを計画立てて順にこなすことが困難になる実行機能障害など他の認知症の類型と同じ症状も多くみられます。

脳血管性認知症特有の症状としては、様々な症状の併発(脳細胞の死滅部位に対応して認知症状・運動麻痺・知覚麻痺・言語障害)が起きます。また低下機能と残存機能の偏りが大きいので出来る事出来ない事が人によって様々となります。

自覚が強く、抑うつや怒り、投げやりな態度になりやすいのも症状の一つです。本人は病気に対して自覚があるため、悲しみや苦い思いを強く感じます。また感情のコントロールが利きにくく、怒りや悲しみなどが表出しやすくなり、うつ状態になる傾向も強いです。

私が以前例に挙げたMさん(男性)がこれに該当します。気難しく、どうして理解されないのか?という怒り方をよくされていました。不機嫌そうに見えたのも”症状の一つ”と考える事で深く考えずに済む事が出来る様になるかもしれません。

初期症状

脳血管障害の身体的治療が一段落すると、物忘れなどの症状がみられはじめます。本人や周囲も次第にそれに気がつきますが、症状に波があり、障害を受けていない機能は保たれているため、まさか自分や家族が認知症になったとは思わず症状の発見が遅れる傾向があります。

周囲や物事を認識し働きかける機能の障害が、アルツハイマー型認知症に比べると比較的早期からみられます。

失行(運動機能に異常はないのに、簡単な日常動作ができなくなること)】

衣服の着脱、テレビのリモコンや照明のスイッチなどの使い方、お金の払い方、トイレのしかた(失禁)など、簡単な生活上の動作ができなくなり支援が必要になります。

★本人は日常的にできていたことができなくなり周囲から責められると、自信や自尊心がとても傷つけられます。加えて言語能力の低下も伴っているのでつらい気持ちをはっきりと伝えられず、無気力や抑うつ、時には暴言などの二次的な症状が現れやすくなります。

【失認(目や耳など感覚器に異常はないのに、それを「意味ある対象」と認識できない状態)】

たとえば何かを見たとして、目で見たものの形・色・位置・動きなどが脳の中に情報として入るのですが、情報を整理する中でその内のどこかが損なわれます。
食事が残っているのに皿を下げたり、湯飲みにお茶が入っているのに入っていない様に見える等です。この場合は匂いや視覚情報が損なわれています。【失語(聴覚や発声に異常はないのに言葉を話す・聞く・読む・書くことができなくなる状態)】

喋っている内容がかみ合わず意味が通じない・聞こえているのに相手の言っていることが理解できない。自分が自分が話そうとするも話せないなど。

これらの症状は、ご本人も”当たり前の事ができない”と認識していますが、傍目にはわかりません。理解されないことにいらだち・混乱・不安を覚え、ご家族はなぜできないのかと思ってしまいます。

中期以降の症状

症状が安定し、再発や転倒などその他の大きな事故を防げれば、急激な悪化をある程度防げるという点が、脳血管性認知症の大きな特徴です。

心身のリハビリテーションを継続して取り組みつつ、脳血管障害の再発防止を中心課題として、運動麻痺、知覚麻痺から起きる転倒による心身の悪化防止、嚥下障害による誤嚥性肺炎防止などが、進行を食い止めるカギとなります。

治療法

★リハビリテーション

死滅した脳細胞をよみがえらせることはできないので根本的治療法はないともいえます。しかし脳はベつの部位が代わりに機能を果たす事があります。また再発防止と転倒・肺炎等の予防に努めながらリハビリテーションに取り組むことができれば、機能の回復と維持が可能です。

★薬

脳血管障害再発予防のため、高血圧薬や脳血流改善薬などを継続して服薬します。初期においては、症状の自覚から抑うつ状態や無気力状態になりやすいため、対症療法として抗うつ剤などが処方されます。

まとめ

ふー、しんどかったですね!大体この辺が私達介護士が携わる病です。少し難しい話でしたが理解出来ましたでしょうか?私は専門家ではないので詳しく知りたい方は検索してみると良いと思います。

様々な症状を述べていきましたが実際の所、全く同じ人生を過ごした方なんかこの世二人といないので、これまでの人生、施設環境や人間関係によって同じ対処法を用いても事がうまく運ぶ!…なんて都合の良い話はありません。

ですが事前にどのような症状が現れやすいか?を学んでおくと、いざその症状に出くわした際冷静に対処する事が可能になります。こういった知識を上手く使っていきましょう!

ここまで読んで頂きまして、ありがとうございます。ではでは★

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